第85 回ルマン24 時間レースが開催され、アストンマーティン・レーシングは、ジョニー・ア ダム(英)が最終ラップで首位を奪うという劇的なフィナーレで、この栄光の耐久レースの GTE Pro クラスで優勝を飾りました。
2017 年6 月18 日、ルマン(フランス):
第85 回ルマン24 時間レースが開催され、アストンマーティン・レーシングは、ジョニー・ア ダム(英)が最終ラップで首位を奪うという劇的なフィナーレで、この栄光の耐久レースの GTE Pro クラスで優勝を飾りました。
ジョニー・アダム(英)/ダレン・ターナー(英)/ダニエル・セラ(ブラジル)組のアストンマーティ
ンV8 Vantage GTE は、最後の一瞬まで勝利をあきらめることなく、完璧なレースを展開し
ました。
ジョニー・アダムは、残り45 分の時点で、63 号車のコルベットとまったく同じタイミングで、
最後の給油を行うためにピットイン。両マシンは同時にピットを離れ、アダムは僅差の2 番
手でコースに復帰。コース上でコルベットを抜かないかぎり、優勝はできないという状況に
追い込まれました。
この最終スティントで、他のライバルと抜きつ抜かれつのバトルを演じた後、最後から2 周
目のラップのスタート/フィニッシュラインで63 号車のコルベットをオーバーテイクすることに
成功。コルベットは、その後、後方から迫ったスコット・ディクソンのプレッシャーを受けてム
ルサン第2 コーナーでアウトにふくらみ、スローパンクチャーを引き起こしてペースダウン。
アストンマーティンの勝利が確実なものとなりました。
ジョニー・アダムは次のようにコメントしています。「ダニエルとダレンは、より上位のマシンと
互角に戦っていました。それは、なによりマシンが非常に良く仕上がっている証拠でもあり
ます。彼らは本当にマシンをうまく操っていました。私たちは、いっさいミスを犯さずに、なる
べくピットインしないでコース上にとどまり、レース全体を通して一定のペースで走ることを
心がけました。しかし、最後のスティントは、非常に厳しい展開となりました。最後のピットス
トップを終えてピットレーンを出るときに、もう少しでコルベットの前に出られそうだったので
すが、先を越されてしまいました。その後、最大でマシン6~8 台分くらいの差が開いてしま
いましたが、決してあきらめませんでした。コルベットは、いくつかのコーナーで、我々のマ
シンよりも遅かったので、そこで抜くしかないと思っていました。彼のマシンに追い付いたと
き、ルマンで優勝するチャンスはここしかないと確信しました。そして、最後の最後についに
コルベットをパスし、フィニッシュラインを通過して、グランドスタンドの大勢のファンやピット
ウォールのチームに祝福されました。本当に素晴らしいレースでした。」
木曜日に行われた予選で、GTE クラスの予選タイム・レコードを更新し、2007 年と2008
年のアストンマーティンDRB9 での優勝に続き、今回で3 回目のクラス優勝を果たしたダ
レン・ターナーは、次のように語っています。「どれだけ準備をしたとしても、レースでは常に
激しいバトルになるし、実際、レース序盤からそういう展開になりました。レースでは、GTE
Pro クラスに参戦したあらゆるメーカーのマシンが首位を奪い合う展開となりましたが、アス
トンマーティン・レーシングのVantage は、常にトップグループを走行していました。ジョニ
ーは、最終スティントで本当に素晴らしい走りを見せてくれました。ダニエルも、ルマン初参
戦ということを考えると、称賛に値します。最高のチームメイトに恵まれました。チームのス
タッフも、夜を徹して素晴らしい仕事をしてくれました。このチームに一員になれて、本当に
光栄です。今回の優勝は、勝利を目指して歩んできたチームの努力の賜物です。チームの
全員が表彰台に登壇できなかったのは残念ですが、この表彰台は、これまでのレース人生
で最高の勝利です。個人的に、今回のレースは、これまででもっとも過酷なルマンでしたが、
その分もっとも酔いしれることができた勝利でした。」
ルマンに初参戦し、GTE クラスのラップ・レコードを叩き出したダニエル・セラは、次のように
コメントしています。「この気持ちを、なんと表現したらよいのか分かりません。今回は初め
てのルマンにもかかわらず、ポールポジションからスタートできたことは驚きでした。ラップ・
レコードも更新して、最終ラップで勝利を決めることができて、まるで夢のようです。ルーキ
ーで、しかもルマン初参戦の僕を信頼してくれた、アストンマーティン・レーシングに感謝し
ます。そして、親身になって僕をサポートし、ルマンでなるべく速く走るコツを教えてくれたジ
ョニーとダレンにも本当に感謝しています。とくにかく、今は嬉しい気持ちでいっぱいです。
この気持ちをどう表現してよいか分かりません。モータースポーツ最大のレースで勝利する
なんて、すごいことです。」
アストンマーティン・レーシングのチーム代表、ポール・ハワースは次のように述べています。
「アストンマーティン・レーシングとすべてのパートーナーを代表する者として、言葉にならな
いほど嬉しく思っています。アストンマーティンは、この特別なレースにおいて栄光の歴史を
誇っています。今回、97 号車がGTE Pro クラスで優勝できたことは、チームスタッフの全
員が、このサーキットとレースのために、数多くの努力を重ねてきたことの証となるもので
す。」
今回の結果について、アストンマーティン社長兼最高経営責任者(CEO)のアンディ・パー
マーは、次のように述べています。「今日の勝利に貢献したすべての人々を誇りに思いま
す。耐久レースの頂点に君臨するルマン24 時間で優勝できたことは、チームおよびV8 Vantage GTE の非常に高いクオリティを証明するものです。ダレン、ジョニー、そしてダニ
エルの勝利は、この有名なレース史に残る最高のトリオのひとつとして、歴史に刻まれると
確信しています。世界耐久選手権の残りのレースでも、彼らが素晴らしい結果を残してくれ
ることを願っています。」
この素晴らしい結果は、アストンマーティンの最新モデル、Vantage AMR スペシャル・エデ
ィションが発表された翌日に達成されました。今年のジュネーブ・モーターショーで発表され
た、アストンマーティンのAMR パフォーマンス・ブランドは、アストンマーティン・レーシング
によるFIA 世界耐久選手権への参戦を通じて、レースから直接インスピレーションを受け
たロードカーを製作することによって、アストンマーティンが誇るスポーツカーのラインナップ
を強化するものです。
アストンマーティン・レーシングは、7 月16 日(日)に開催されるFIA 世界耐久選手権、ニュ
ルブルクリンク6 時間レースに再び参戦します。