アストンマーティンは、ある目標を掲げました。アストンマーティンが持つ歴史の中で最高のクルマを作り上げることです。100年の伝統とアイコンとされる自動車を生み出し続けているアストンマーティンですが、新たなフラッグシップを設計する作業は、デザイナー陣を新たな高みへと引き上げました。

誕生したのは、まさに目標としていたクルマ。新型Vanquishは、アストンマーティンの過去と現在、そして未来を1つに融合させています。

次なる世代

きわめて個性的ながら、時代を超越した魅力。Vanquishのユニークな特徴は、アストンマーティンのデザイン哲学を新世代へと導きます。One-77に影響を受けたまったく新しいエクステリアは、カーボンファイバー製ボディパネルを使った緊張感のあるアグレッシブなフォルムを持っています。ホイールアーチとリヤハンチの彫刻のようなカーブは、サイド・プロフィールを印象づけます。伝統のアストンマーティン・グリルと新設計のフロントスプリッターはユニークな顔を構成します。

新しい形状、
ユニークな成り立ち

デザイナーはアストンマーティンの新しい形を生み出し、エンジニアは新素材を活用してそれを具現化しました。外装パネルはすべて、航空宇宙グレードのカーボンファイバーを使用して製造されます。美しいデザインを実現するための純粋な表面と精度を確保するため、この素材は必須の要件です。カーボンファイバーはまた、構造面においてすばらしい利点をもたらします。信じられないことですが、この素材の使用によってDBSより25%も軽量なボディが実現しています。Vanquishは、「形態は機能に従う」という名言の実例となっているのです。

カーボン製のスーツ

Vanquishは、ただ単にカーボンファイバーを使って組み立てられているのではありません。この素材で「仕立てられて」いるのです。フロントスプリッター、光を捉える表情豊かなサイドスカート、リヤディフューザなどは、カーボンの2x2ツイル・ウィーブを露出させてボディを取り囲んでいます。しかし、アストンマーティンは、さらに細部にまでこだわりました。繊細なカーボンの織り目をきれいに揃え、クルマのエレガンスを精密に強調するために、カーボン素材は厳密に測定して配置されています。オプションとして、カーボンファイバーにクリア塗装を施したルーフ、ドアハンドル、ドアミラーも用意しています。Vanquishは、カーボンのスーツを身にまとっているのです。

デザインとエンジニアリングの融合

世界を牽引するデザイン、1世紀にわたる卓越のエンジニアリング。新型Vanquishは、21世紀のアストンマーティンを具現化しています。リヤに装着されるエアロダクトを例に取りましょう。エレガントなデザインですが、工学的にも重要な意味を持っています。この小さなコンポーネントは高速走行時の揚力を抑え込みますが、Vanquishのしなやかなシェイプをリヤにまで回り込ませる意図もあるのです。まさに、デザインと技術力の勝利です。

より大きなスペース
と広々とした室内

グランドツアラーとはカテゴリーの1つですが、目的でもあります。究極のGTを製作する作業には、トランクとキャビンの拡大が欠かせない条件となっていました。アストンマーティンは、この課題も見事にクリアしています。その内容は、3つの数字が物語っています。37mm拡大されたレッグルーム、60%拡大されたトランクスペース、そして信じられないことに、DBSより140%も広くなったインテリアスペース。Vanquishは、アストンマーティンが作り上げた最高のグランドツアラーであるばかりでなく、最大の余裕を備えたクルマでもあるのです。

デザインされたラグジュアリー

くつろげる空間と快適性の完璧なバランスを備えたインテリア。それを求めて、デザイナーは初心へと立ち返りました。一新されたコンポーネント、まったく新しい素材、そしてユニークなインテリア環境。Vanquishのコックピットは、エクステリアのフォルムと完璧にバランスして機能します。シームレスな体験の誕生です。

10万通りを超えるインテリア仕様の組み合わせが用意されるVanquishは、パーソナライズ可能なクルマではなく、そのすべてが独自の存在なのです。レザーの1センチが、滑らかな金属表面のすべてが、100万のステッチが、1台ごとのVanquishをユニークな存在にしています。

選択肢は信じられないほど多彩に用意されますが、素材に妥協はいっさいありません。最高のガラスと金属、精密に織り上げられたカーボンファイバー、そして肌触りが良く柔らかなレザーのみを使用しています。アストンマーティンは、過去最高のインテリアをデザインしましたが、最後の仕立ては、皆様のご意向を伺ってからの作業となります。

究極のインテリア

北京モーターショーで発表されたこの並外れたVanquish クーペは、極限スポーツをテーマとし、先端素材使用の構造を披露しています。

ノーズからテールまでボーダー状に走っている、剥き出しのカーボンファイバーが印象的。クルマの輪郭曲線に沿ってボンネット、ルーフ、トランクリッドをなぞるこの美しいグロスフィニッシュの綾織りカーボンは、メテオライトシルバーに塗装されたボディに優雅に映え、完璧なハーモニーを奏でています。対照的なビビッドレッドを纏うインテリアは、エクステリアを際立たせ、フェイシアとギアシフトパドルにもカーボンファイバーが採用されています。

このVanquish クーペは、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスのために設計されたもので、航空技術と高性能の計装機器にインスピレーションを得ています。

グロスレッドのカーボンファイバートリムが、ジェットブラックサテンのエクステリアを強調。さらにローズゴールドのバッジが、高級腕時計に嵌められた宝石のように、このパワフルな彩りに捻りを加えています。インテリアにも同じテーマが貫かれ、マッチするピュアブラックのレザーとアルカンターラ® のトリムに対して、パドルシフトやパーフォレーテッド・レザーシート、ドア・インサートのレッドがアクセントを与えています。