始めにアイコンあり

タイムレス

現行モデルを上回るDB9を創り上げることとは、大いなるチャレンジでした。自動車史に燦然と輝くアイコンをさらにレベルアップするには、一体どうしたらよいのでしょう？　私たちはアストンマーティンの中核的哲学に立ち返り、スケッチやモデリングなど開発の初期段階から応用しました。その哲学とは、時の移ろいに色褪せないエレガンスを生み出すことに他ならず、新型DB9の価値を定義するコンセプトでもあります。

私たちの出発点は、2003年以来賞賛されてきた旧型DB9でした。アストンマーティンは、9年の歳月をかけて、独自の最先端構造であるVHアーキテクチャーを熟成進化させてきました。この構造を基本とすれば、さらに素晴らしく、いっそう美しいDB9ができると確信していました。

エレガントなデザイン

新型DB9デザインチームは、歴代「DB」の特徴的なラインを踏襲しながらも、現代的なエレガンスと純粋なまでの形態美を創り上げることに成功しました。アストンマーティン・デザイナーは、できるかぎりスケッチに近いモデルを実現しようと最大限の努力を払い、エンジニアもそれに報いるはたらきをしました。70%を超えるボディパネルが新たに設計されました。デザイナーは、史上もっともエレガントなDB9の設計に成功し、エンジニアはそれを見事に実現したのです。

完璧なプロポーション

DB9のフォルムは、そのすべてがエレガンスとバランスのために考え抜かれています。シンプルで自然な造形美が宿るプロポーションは、「黄金比」に基づいています。この結果、すべての線と面、寸法が見事に調和することになりました。完璧にごく近い前後重量配分、あくまで低い位置に搭載されたエンジン。見た目はもちろん、ドライビング・エクスペリエンスにも完璧なバランスを感じることができます。

アストンマーティンは、止まっている時の佇まいはもちろん、動いている時もエレガントに振る舞わなければなりません。アストンマーティンのデザイナーは、低く身構えるアスリートのようなイメージを作り出すため、あらゆる部分に磨きをかけました。たとえば、ライトキャッチャーを例に取りましょう。この新しいコンポーネントは、車幅いっぱいに広がり、DB9の幅広感と地に足がついたルックスを強調します。旧型よりもハッキリとわかるトランクリッド「フリップ」と大型フロントグリルにより、ミラーに映った時も、後方から眺めた場合も、その雄姿をしっかりと印象づけます。

柔和なマッスルカー

ラグジャリー、リファインメント、エレガンスがいっそう引き上げられた新型DB9は、時の移ろいにも色褪せないラグジャリー・スポーツ・グランドツアラーの在り方を改めて定義します。厳選されたブリッジオブウィアー・レザーのみを使用して、手作業で縫い上げられたシートとトリムは、その好例です。カラーコンビネーションだけで数千を超える選択肢を用意。DB9とは、1台1台が究極のラグジャリー・ビスポークです。

厳選された素材

細部にも細心の注意を

アストンマーティンは、ステッチにもこだわりを持っています。品質、形状、素材のすべてに独創性が溢れています。新型DB9には、サーキットのコーナーをモチーフとする「レーストラック」ステッチを採用しました。糸の太さ（重量）も入念に検討、強い印象を与える太い「10ゲージ」ときめ細かなイメージの「20ゲージ」を使い分けて、インテリアに微妙なコントラストを表現しています。

DB9初となるピンストライプのウェルトも採用しました。素材は完全な1ピースで、つなぎ目は一切ありません。それぞれのウェルトには2メートル長のレザーが必要です。これを裁断した後、ハンドステッチで仕上げます。スペシャリスト工房で熟練のクラフトマンがハンドメイドする素材に、入念な品質管理と精密な製法が施され、完璧な製品へと昇華するのです。

本物のガラスを使用したコントロールスイッチをはじめ、新型DB9のインテリアには本物の素材だけが使われています。宝石のような輝きを持つガラス素材に精妙な磨きと仕上げが施された結果、目に優しいだけでなく、指にも優しい完璧なスイッチギアができあがりました。

本物志向による一体感

この DB9 ヴォランテは、南カリフォルニアのライフスタイルを彷彿とさせるクールなパレットとイメージを体現。スーパーヨットのすっきりしたシルエットをインスピレーションに、ピュアホワイトサテンのペイントと鮮明なメタルディテールが海洋テーマを演出しています。

インテリアは、豊かなホワイトエッセンスのパールエフェクト・セミアニリンレザーとオーロラブルーのレザーが太平洋沿岸を想起させ、エクステリアとの美しい一体感を生み出しています。

このDB9 クーペには、繊細な効果のサテンジェットブラック・ペイントのエクステリアに、鮮やかな濃いマダガスカルオレンジのレザーとブラックステッチという大胆なインテリアデザインが組み合わされています。

さらに、グロスブラックのボンネット・メッシュ、オレンジのブレーキ・キャリパー、グラファイト仕上げのブラック・テールパイプという具合に、ブラックとオレンジのテーマがエクステリアとインテリアの随所に織り込まれています。